コロナ禍によるものかどうかは定かではないが、昨年行ってから、再度行く機会を伺っていた店が閉店してしまっていた。
久しぶりに外食でも行くかとGoogle Mapでその店を検索しても、一向に検索に引っかからない。
検索の仕方が下手だったのか。あらゆるワードで「この地域を検索」としても、他の飲食店のみが誘導される。
Google Mapは神様ではないので、しょうがなくGoogleでその店の名前と地域を入力する。
一番上に出てきたのは[閉店]と銘打たれた食べログのサイト。
ここ最近で最も悲しかった出来事と言っても良いだろう。こばえが大量発生したことを除けば。
世間にはコロナの影響を受けて、多くの店が閉店に追い込まれているという話を聞くのも少なくない。
Twitterでは「いつか行きたいと思っていた店は早く行ってあげて」という注意喚起をするかのような呼びかけも幾度となく目にした。
「そうだよな、行かなきゃな」と何度も思った。
しかし、どことなく他人事のように感じていたのかもしれない。
外食しようと気持ちを固めるのも、昨年とは異なり若干の覚悟が必要になった時代だ。
いつか、また少し落ち着いた時に食べにいけば良いやと。
注意喚起を受けてもなお、そう思っていたことを悔やむ。
幸いこの店は支店のため、食べたかった味を食べに行くことは不可能ではない。だがこれが本当に好きだった個人店だったなら、食べたかった味は一生思い出のままだったのかと思うと、悔やんでも悔やみきれない思いがある。
家の近くにあった大型のショッピングモールの中の店は、短期経営だったのかと見紛うほどすぐに閉店してしまっていた。だが、閉店する店はどれも「まあ人入ってなかったしな」と諦められるような(失礼な表現なのは理解している)店だった。
しかし今回行きたかった店は違う。確かに今思えば昨年の人の入りは少なかったかもしれないが、これはコロナの影響であって、味も店員も諦めるには惜しいほどの良い店だった。
そこまで気づいて、自分はハッとなる。
諦めるには惜しい店だろうと、閉店に追い込まれる状況が今なのかもしれないと。
だからと言って政治の話をするつもりは毛頭ないので、誰のせいでもなく、ただ今の時代を恨むしかないのだろうと感じる上で。
ただ一つ責める点を見つけるとすれば、それは自分が「いつか行こう」と当然に店があるものだと思っていた怠慢なのだろうなと実感することになってしまった。
近くには他にいつか行こうと思っていた店がある。次きたら頼もうと思っている料理もある。またこんな思いをしないよう、行こうと思った店は早いうちに行かなければならない。