ぶな記

主に食べ物、みじんこ程度にプラグラミング

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好きなことに「文字を書くこと」と書いて良い

「あなたの好きなことはなんですか」
「あなたの趣味は何ですか」


そう聞かれることがこの世界では非常に多い。好きなことからその人柄が見えるのか、はたまたそうではないのか。

趣味から人が打ち込んできた人生背景が見えるのか。


あるいは自己紹介カードなどを書くとき、履歴書を埋めるとき。
「自分の好きなこと」はほとんど必ず欄が用意されている。そして自分は今までずっとそれに苦しめられてきていた。


ゲームをする事

まず第一に思いつくのは「ゲームをすること」だ。

幼稚園時にドラクエのレベリングをする母親の背中を見て育ち、ゲームボーイアドバンスを手に、漢字も満足に読めない内からポケットモンスターサファイアのストーリーを眺めていた。


成長するうちに様々なゲームに出会った。
自分の中でゲーム、特にRPGを人生の中心に据えて今までを生きてきた。


ゲームが好きだ。趣味だとも言える。だがそれを何故だか書こうとはあまり思わない


今やe-sportsと名を冠してスポーツとしても認められつつあるゲーム業界だが、自分が小学生くらいの頃には、ゲームをしている人は少なくとも善ではなかった


ゲーム脳という言葉がメディアで取り上げられ、規制をするべきか否かが大きく分かれていた頃に、趣味や好きなことに「ゲームをすること」とは書きづらかった自分がいた。



当時は無難に「小さい子と遊ぶ事」「絵を描く事」などと誤魔化していた。


もちろん上記の二つは嫌いではないが、
仮に友人に「小さい子と遊ぶの趣味なんでしょ?」と問われてしまうと、疑念が残る程度の"好き"だ。



今でも、そのなんとなく書きたくないなぁという気持ちは少し残っている。
遊び心の認められているバイト先の自己紹介カードなどでは「ゲームをする事」と書けるものの、履歴書なんかには到底書く気にはなれない。そこで次点を探すことにしていたのだ。

バドミントンをすること

中学校の部活から、訳あって高校の途中まで部活に参加していた。

それから大学でのサークルもバドミントンを選ぶくらいにこの競技が好きだ。



そのため、ゲームをすること、と書けない場面では意気揚々とバドミントンを趣味に掲げていた。


だが、休日を惜しんでバドミントンをするわけではないし、サークルを引退してしまった今、バドミントンのラケットはしばらく触っていない。

また、お世辞にも非常に上手な部類ではないので、好きだからと言って上手いわけではないを体現している。そんな中、自信満々に趣味としてかけるものではないなぁと、ずっと思っていた。


中学校の時から、高校の時まで。周囲には好きなことと、入っている部活が一致している人が多かったため、趣味・好きなことに「バドミントン」と書くことは何ら不思議ではなかったのだが、自分の中ではしっくりくるものではなかった。



どことなく、自分の好きなことを自慢できることにしておきたかったのだろう。
好きなら、得意だよね?と思われてしまうことに恐怖しているのかもしれない。

自身の下心とも、見え透いた見栄とも取れる感情が蔓延っている。

文字を書くこと


そんな中、趣味探しのような記事を漁っていると、「自分の趣味は文字を書くことです」と書いているブロガーさんを見つけた。


眼から鱗が出るようだった。


文字、と書いても文章と書いても遜色ないだろう。自分の手で、言葉を紡いで。
物語を作ったり、二次創作を書いたり、こうしてブログの記事を積み上げて行ったり。


中学生の頃から日記を書くことが好きだった。
誰よりも長く、その日の記録をつけるために、既定のマス目を二分割してまで文章を膨らませていた。


高校になれば劇の台本を書かせてもらった。
理系クラスなのに、とストーリーを褒められたことが嬉しかった。


大学のレポートでも文字数を増やすのは得意だった。自身が感じたことをそのまま文字にすればいい。これほど簡単で、相手に自分の気持ちを伝えられる提出物はないと、そう思っていた。


自分の中であまりに当たり前になっていた「好きなこと」が近すぎて気づけなかっただけなのだ。



そしてこの好きなことは胸を張って趣味だと言える。自慢できる趣味だと。

人に褒められた経験が何より多く、文字に感情を起こしている時間が何よりも好きだ。




世間で日の目を浴びるよく聞く趣味は、部活の延長だったり、旅行だったり、読書だったりするのかもしれない。


だけどこうしてブログを書いたり、読んだりしている人たちの大半は、きっと「文字を書くのが好きな人」なのだろう。そして、自分もそのうちの一人だ。

自分の趣味は

これからは胸を張って「自分の趣味は文字を書くことです」と言うことができる。


ブログを書いていなければ気づかなかったことだ。このことに気づけてよかった。
自分の好きなところが、また一つ見つかった気がする。







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